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その土地のアジ   

仕事柄、ワインのテクニカルシート(ワインの糖度や酸度などのデータ一覧)などを
訳したり記入したりすることが多々。
そこに記入されている製造者である醸造家や現地の担当者の「お勧めの料理」の欄に
最近よく「寿司」とか「エスニック・フード」と書いてあるのです。
流行ってるのもあるし、日本向けに準備してくれたからってのもあると思うのですが
彼らの言う「寿司」と私たちが思う「寿司」は確実に違うし、
そもそも「エスニックフード」って、どこまでを含むのか…
彼らにとっての「エスニック」は、我らの「エスニック」の範囲より格段に広いと思うし
その辺の判断が結構キモだったりするのだけど、それは文面からは分らない。
聞いてみないとね…
勝手にこちらの試飲したイメージを書いてももちろんいいのですが、彼らのそのワインを作った
意図と言うか、考え方と言うか、方向性ってものが一番大事だと思ってて、
出来る限り汲み取りたい…とは思ってて…
でも、イメージが重なり合ったとして、そこは、狙う「…に合う」という状態で本当にありえるのか…
結構無限ループ。

例えば、先日来日していたNZの醸造家と話していて
「このビンテージ、ビーフのローストと合わせて飲んだらびっくりするほどウマイんだ」と。
でも、ここで彼がいう「ビーフのロースト」とは、ビシビシの「脂身どこ?」っていう赤身肉。
血の色がまだはっきりしている、思いっきりレア。
私たちの食べる「それなりにサシの入った」「ピンク色の焼き加減」ってのではない…
ってのに話してて気づいて、ハッとして同時にものすごく納得した。
ということは、「サシの入った肉」を想定してレビューを書くと、間違ったことになる。

これを理解していけばいくほど、ますますワインというものが、その土地で飲むもの
「地産地消」がふさわしいモノってことになってしまう気がする…

by miyumayu27 | 2012-10-03 20:00 | おしごとのこと

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